手形を利用するリスクと多く活用されている業種を解説します。

手形が未だに利用されている業種

手形をしている業種をリサーチ

 

東京商工チサーチによると2017年の手形交換高は374兆1,580億円で、前年比11.8%減手形交換枚数は5,549万枚で過去最低でした。
手形の利用がピークだったのは1990年でバブル崩壊により1991年に激減した歴史を持ち、2017年はピーク時の1割程度まで減少しています。
手形はファクタリング、電子債権(でんさい)の普及によって需要が低下していますが、以下の業種では未だに利用されてるケースが見られます。

 

  • 建設業
  • 製造業
  • 卸売業

 

手形を使うのは老舗企業が中心

国は手形による取引ではなく電子債権(でんさい)の利用普及を呼びかけています。
でんさい以外にもファクタリングなど代替による決済手段は増えています。
2017年の手形発行枚数が過去最低を記録したことで分かるように、手形1枚あたりの単価は増加しています。
つまり、昔ながらのビジネスを続ける老舗企業で、扱う金額の大きな業種は未だに手形を利用する需要があります。
特に建設業は単価が大きくて売掛サイトが長いため手形取引の利用比率が高いです。

 

企業の大半は手形をやめたいと思っている

手形をやめたいと思っているアンケート

三菱UFJリサーチ&コンサルティングが2018年3月20日に発表した「手形・小切手の社会的コストの実態調査」では、今後の利用動向についてのアンケート結果で、やめたくないと回答しているのは振出側で全体の22.4%受取側は10.6%でした。
一番多いのは「やめたいけどやめられない」の回答で、特に小売業の回答率が高いです。

 

やめたくないと回答している理由は、コストが比較的安くて手間が少ないことです。
ただし、これは現在も手形・小切手を活用している側の回答で、他の決済手段に切り替えた業者からしてみれば、長期的なことを考えると手形は面倒だと思っています。
電子債権やファクタリングなど他の方法に切り替えるには手続きや契約の手間が発生することがネックになっていますが、手形はすでに古い方法として認識され取引先から嫌がられる傾向が強まっています。

 

 

手形は嫌がられる

手形を嫌がる男性

手形の利用が減少しているのは、他の方法が普及したことに加えて、手形は犯罪被害にあるリスクが高まっているからです。
昔ながらのアナログ式の方法のため、取り込み詐欺や手形偽造などの犯罪件数が増加しています。
直近の動向だと、手形1枚あたりの単価が増えていますが、利用者から見ると金額の大きい取引ほど手形を活用するリスクが高いと感じてしまいます。

 

すでに時代遅れの決済手段として定着してきているので、手形にこだわった取引を続けると取引先を失うリスクがあります。
今後も手形の利用数は減少を続けていくことが予想されています。
手形取引所はピーク時から4割以上減少しています。身近な金融機関で振出・受取および割引できるのが手形のメリットですが、需要低下によって利便性も減少傾向になっています。

 

手形と2社間ファクタリングを比較すると手形の方が割安ですが、3社間ファクタリングの普及が進んでいけば手形を活用するメリットはさらに少なくなるでしょう。
手形割引をする場合は手数料を満期日までの期間で計算します。売掛サイトが長くて本来は手形割引との相性が悪い建設業で手形を未だに多く利用されていることを問題視されていて、手形決済になる現場では優秀な下請け業者を確保するのが難しくなってきています。